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すれ違い [小説]

愛が家でのんびりしていると、玄関のブザーが鳴った。
”ピンポ~~ン”誰だろう~と思いながら、ドアを開けてみると
「こんばんは。その節は大変申し訳ありませんでした。」
訪ねてきた人は、沙織だった。
「いえ…」愛は、ビックリした顔をして沙織に対応していた。
「愛さん…ごめんなさい…」沙織は、玄関に泣き崩れた。

「翔太は、この家から出て行きました。」
愛は、沙織が翔太を訪ねてきたのかと思い、そう告げていた。
「愛さん…私のせいで…こんなことになってしまって…ごめんなさい…」
玄関先で、沙織は土下座をして頭を下げていた。

「いいえ~私達に縁がなかったんです。」愛は、そう答えていた。
「あんなひどいことを言った私に、何でそんなに優しいんですか…」
沙織は、泣いていた。
「もう…済んだことですから…気にしないでください。」
愛は、そう言いながら、泣いている沙織を立たせようとしていた。

「愛さん…本当にごめんなさい。許してもらえないかもしれないけど……
翔太は、私の生きがいでした。辛い事があった私を立ち直らせてくれたんです。
いつも優しくて、私を励ましてくれて…そんな翔太の事を好きになって…」
沙織は、涙を浮かべながら話していた。
「そうだったんですか…」愛は、沙織の話を聞いていた。

「同じ映画のサークルで一緒に映画の仕事出来たら…って思っていた時に‥
愛さんが現れて、翔太の気持ち知っていながら…愛さんの事が憎くて…
愛さんがいなくなれば、翔太と一緒に映画の仕事が出来るのに…
私を好きなってくれる…って思って…」沙織は、泣いていた。

「翔太の事、本当に好きなんですね。」愛は、そう呟いた。
「あれから…色々と考えて、私は間違っていることに気付きました。
今は、心から翔太と愛さんの結婚を祝福したいと思っています。」
沙織は、土下座をして頭を下げたままで、
いつまでも頭を上げようとしなかった。

「沙織さん…ありがとう…私も翔太と出会って幸せでした。」
愛は、そう言いながら、沙織の肩に手をかけていた。
「もう…頭をあげてくださいね。」愛が、そう言いながら、
沙織の頭を上げようとしていた。

「翔太が、愛さんの事好きなった気持ちが良くわかります。」
沙織は、頭を下げながら呟いていた。
「短い間だったけど…翔太と結婚を夢見て幸せでした。」
愛は、そう言いながら微笑んでいた。

「翔太とやり直してください…愛さん…お願いします…」
沙織は、愛に向って叫んでした。
「私達…もう…心が離れてしまったから…もう…」
愛が、そう呟いていると

「今からでも遅くはないですよ…愛さん…今でも翔太は、愛さんの事を思っていますよ…」
そう言いながら現れたのは、翔太の親友健司だった。
「あ…」愛は、健司の出現にびっくりしていた。

「びっくりさせてごめんなさい…この間学園祭の時にあった翔太の友人健司です。」
そう言いながら、爽やかな笑顔で頭を下げていた。
「いえ~こちらこそ…お久しぶりですね。」愛は言う。
「そうですね。」そう言いながら、

その後、健司は、今までのいきさつを話し始めた。
翔太から連絡があって、愛さんに“1人で考えたい…”と言われ、
愛さんに嫌われたのかと思い落ち込んで、とても動揺していたこと…

自分は愛さんの家にいられないので、愛さんに何かあったら困るし、
沙織が何かしないか、気にしていてくれるように…という事を話していたと…、
そして、翔太は、とてもショックで落ち込んでいる状態だということ…
などを健司は話していた。

「愛さん…沙織が言っていた映画のプロデューサーの就職の話は、
愛さんと出会う前に断っている話です。
アイツは海外でなくても日本で出来る映画のプロデューサーなら
引き受けたかもしれないですけどね…

そのことをなんでちゃんと説明しなかったのかアイツは、
愛さんが元気なくてどうしたらいいのか…
そっちの方ばかり気にしていたみたいですよ。」
愛は、健司の話を聞いていた。


「沙織の事は、俺からも心から誤ります。」そう言いながら、
健司は頭を下げていた。
「いいえ~もういいですよ~」愛が言う。
「翔太に伝えますね。愛さんが、翔太を待っていることを…
アイツ喜びますよ。笑」そう言いながら、健司は、沙織と一緒に帰って行った。

愛は、健司の話を聞いて、翔太に自分の言い方が、
思わぬ誤解をさせてしまっていたことを悔やんでいた。

翔太が、そんな風にとってしまっていたなんて…全然知らなかった…
お互いの気持ちが、すれ違ってしまった…

翔太…本当にごめんね。
翔太…今すぐにでも会いたい…

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