SSブログ

悲しい宣告 [小説]

翔太から連絡がない日々が続く中、
彼からメールが届いた。

「愛~元気にしてる?」
翔太からのメールに、
愛は嬉しくなって急いで返信をする。

「翔太に会えなくて…寂しいよ~」
愛は、今の正直な気持ちをメールで送ってみた。
「ごめんね~会えなくて…」
翔太から返信が来た。

愛は、翔太の声が聞きたくなり、
「翔太…声聞きたい…電話してもいい?」
メールを送ると、翔太のほうから電話をしてきてくれた。

”プルルプルルーー”
愛は急いで携帯の通話を押した。
「翔太~」
愛は、嬉しそうな声で翔太の名前を呼んでいた。
「愛~会いたいよ~」
「私も会いたい…」
「ごめんね~会えなくて…」

「ううん。お父さんの具合はどうなの?」
「それが…余りよくないんだ…」
お父さんの事を話すときの、翔太の声は元気がなかった。
「翔太~大変ね。体大事にね。」

「ありがとう。親父…検査したら癌らしいんだ…」
「え?」
「過労かと思ったら、頭の中に影がある…って…」
翔太は、声をつまらせていた。

「翔太…」
「愛~俺どうしたら…」
翔太は、その後言葉にならなかった。

「翔太…しっかりして…」
「愛…」
「私になんか出来る事があったら言ってね。」

「ありがとう…愛に会えないのが辛いよ…」
「翔太に会えなくても、私は翔太のことをいつも思ってるから…
今はお家の事頑張って…」愛が言うと

「愛~ありがとう…」
「翔太…大好きよ。愛してる‥」
「俺も愛してるよ…」
そう言って電話は切れてしまった。

翔太のお父さんの具合が悪く、
彼はずっと実家に帰ったきり、
愛と翔太は会うことができなくなっていた。

愛は、寂しい気持ちが続いていたけど、
電話で話している時の

”俺も愛してるよ…”と言ってくれた
翔太の言葉に安心しながら幸せを感じていた。

そして、愛は、今までの寂しい気持ちが嘘のように、
私は”彼に何ができるんだろう…”
と思うようになっていた。

きっと、彼は今辛い気持ちだと思うから、
出来るだけメールを送ってあげたい。

彼の側にいることが出来ないから、
せめて辛い気持ちが少しは気がまぎれるように、
彼にメールを送ろう……と思うのだった。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:恋愛・結婚

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

元気づけられて切ない思い… ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。