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もう一人の彼 [小説]

数日後の休日、愛は、翔太と一緒に彼の所属しているサークルへ連れて行ってもらった。
サークル仲間が、集まっている広い講堂には翔太の友人達が集まっていた。

「翔太~」爽やかな男性が駆け寄ってきた。
「お~もうきてたんだ…」
「今、来た所だよ。」

「そっか‥こちらは俺の彼女愛さん。」
「こんにちは。愛です。」
「翔太の悪友健司です。笑」
愛は微笑みながら軽く会釈をした。

愛にとっては、初めてみる大学と言うキャンパス。
お友達と何人かで、コーヒーを飲みながら楽しそうに話している人。
分厚い本を見ながら、難しい顔をして勉強している人。
色々な人達がたくさんいる。愛は、何もかもが珍しく移っていた。

”翔太は、ここで勉強しているんだぁ~”
愛が、周りを見回しながらキョロキョロしていると

「翔太~!!」

女の人の声に反応して、愛は翔太の方を振り返ってみる。
翔太とその女性はとても楽しそうに話をしていた。
それは、私の知らない翔太の顔だった。

”翔太…何をはなしているんだろう…なんか楽しそう…”

2人で話している光景を見ながら愛はジェラシーを感じる。
あの女性と翔太は、いつも一緒に勉強しているんだ…
何であの女性は、翔太のこと”翔太~”って呼ぶの?
愛は、何とも言えないその女性へのジェラシーで、胸の中は熱くなっていった。

そんな愛を気遣って、話しかけてくれたのは、翔太の親友健司だった。
「翔太は、最近、愛さんの事ばかり話していますよ。鼻の下を伸ばしてね。笑」
健司が、愛の所に来てニコニコとした顔をして話していた。
「え‥‥」
「あいつ…愛さんをほったらかしでダメだな‥笑」健司は、笑っていた。
「あ…いえ…いいんです。」
「翔太は、愛さんにゾッコンですよ。今日、愛さんに会ってあいつが、メロメロになる気持ちがわかりまた。」健司は、愛を見ながら微笑んでいた。
「……」
「翔太はいいやつですよ。親友の俺が言うんだから間違いない…笑」健司は、そう呟いていた。

「愛さ~~ん。」翔太が駆け寄ってきた。
「ダメだよ~俺の愛さんなんだから‥」翔太が、愛を連れて行こうとした。
「邪魔者は消えるよ…笑」そういいながら、健司は歩いて行った。

その後、翔太はキャンパス内の小さな喫茶店に連れて行ってくれた。
「いつもここで食事してるんだ。結構美味しいよ…」
「そうなんだぁ~」
「なにか食べる?」

今、隣にいる翔太。さっき…あの女性と話している時の
翔太ではない私に微笑みかけてくれる翔太だった。
そして、2人でコーヒーを飲みながら、
次のデートの約束をするのだった。

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